長時間労働が問題となっていますね。そこで最近よく耳にするようになったのが『慢性疲労症候群』という病気です。「もしかしたら自分もこの病気かも?」と、思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、慢性疲労症候群は他人にその辛さを理解されにくく、医師でも診断ができる人が少ない病気なんだそうです。慢性疲労症候群の症状や、「もしかしたら」と思ったときに何科を受診すればよいのかご紹介します。
慢性疲労症候群の症状とは?
そもそも慢性疲労症候群とはどんな病気なのでしょうか。「慢性疲労」は、心身共にいつも非常に疲れている状態ですが、たっぷり休息をとることができれば疲労感は改善します。しかし、「慢性疲労症候群」は少し休みをとった程度では回復しません。主な症状は以下の通りです。
慢性疲労症候群の症状
・疲労感
辛い疲労感が6ヶ月以上続くことが、慢性疲労症候群と診断するための1つの基準となっています。人によって疲労感の度合いは違うと思いますが、慢性疲労症候群の人は日常生活を送るのも辛いほどの疲労感があるといいます。ひどい方は、寝返りをうつのも辛く、寝たきりの状態になってしまう場合もあるようです。
・痛み
人によって様々ですが、関節痛・筋肉痛などの症状が現れることがあります。また、頭痛、咽頭痛など風邪のような症状が現れ、内科を受診して風邪と診断されてしまうことも多いようです。リンパの腫れがみられることもあります。
・不眠、過眠
不眠や過眠などの症状が現れるため、睡眠との関係は深いと考えられているようです。仕事などで心身に過剰に負荷がかかると、脳の緊張状態が続き睡眠が浅くなります。すると、睡眠によって脳のダメージを十分に回復させることができません。そういう状態が続くと、自力で回復できない状態になってしまうのではないかと考えられているようです。実際に慢性疲労症候群の人の脳は炎症を起こしていることがわかっています。
・不安感、抑鬱状態
鬱病とはまた違った病気なのですが、抑鬱状態になったり、不安感をもちやすくなったりと精神的に不安定な状態になりやすくなっています。合併症として、鬱病や双極性障害などがあります。
・思考力、記憶力の低下
脳機能の低下や精神障害の影響で、物事を考えられなくなったり忘れっぽくなってしまったりします。
このように様々な症状があらわれるため、他の病気との鑑別が非常に難しくなっています。受診しても原因がわからないと言われてしまうこともめずらしくありません。いろいろな検査をしたにも関わらず原因が不明で、以上のような症状がある場合は、慢性疲労症候群の可能性があるかもしれません。
慢性疲労症候群かと思ったら何科を受診すればいい?
慢性疲労症候群が疑われる場合、何科を受診すればよいのでしょう。きっと体調不良を感じた場合、最初はみなさん内科を受診するでしょう。しかし、それでも原因がわからない、症状が改善しない、という場合は、
「心療内科」
「精神科」
を受診するのがいいようです。
慢性疲労症候群と診断された場合、漢方薬やホルモン治療、免疫療法などの他、カウンセリング、アロマテラピー、鍼灸、ヨガなど東洋医学の要素を取り入れた治療もされることがあるようです。これは、慢性疲労症候群はストレスが大きな原因だと考えられているからでしょう。どんな治療法が合っているかは、人によって違うでしょうが、いずれにせよ治るまでには時間がかかる病気です。
慢性疲労症候群の治療が出来る病院
ご自身が信頼できる医師に診てもらえればそれが1番いいですよね。治療方針なども病院によって違ってくるため、まずは病院のHPをチェックして、いいなと思う病院に行ってみるのがよいでしょう。
参考までに、都内で慢性疲労症候群の治療を行っているとされている医療機関の例を載せます。
・クリニック ハイジーア(統合医療)
・新宿溝口クリニック(心療内科・精神科・内科)
・道玄坂しもやまクリニック(心療内科・児童精神科・神経科)
・吉祥寺東方医院(東洋医学)
・渋谷セントラルクリニック(アンチエイジング・美容皮膚科)
・日本橋メンタルクリニック(心療内科・精神科・神経科)
医療機関によっては、保険診療でない治療を行っているところもありますので注意してくださいね。
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まとめ
疲れた、調子が悪いと思ってもちょっとのことでは休めないのが今の日本社会。体調を崩しても再起不能になるまでどうすることもできないなんて・・・。社会全体の考え方が変わらないといけない時がきていますね。