アフラックのCMで櫻井翔さんと共演し話題になった山下弘子さんが、25歳の若さでなくなりました。19歳のときにがんであることが発覚し、余命半年を宣告された山下さん。そんなに若くしてがんを発症した原因は何だったのでしょうか。がん発見の経緯とともにみていきたいと思います。
肝臓がん発見の経緯
山下弘子さんは、立命館大学1年生の夏に肝臓がんが発覚しました。夏休み、友人と遊んだりアルバイトをしたりして普通の大学生活を送っていた山下さん。しかし、あるときだんだんとお腹が膨らんできたことに気が付きます。そして突然、右胸に激痛が走り病院を受診。大学病院で精密検査を受けたところ、肝臓に2kgもの大きさのがんがあることがわかりました。
当初、がんがあまりにも大きく、転移もあるだろうと考えられていたため、手の施しようがなかったそうなのですが、幸い転移はなく、手術ができることに。緊急の手術で肝臓から取り出されたがんは、山下さんの顔よりも大きかったそうです。このがんが、肺を圧迫し胸に痛みが出ていたようです。
山下さんは治療を終え大学に復帰をしましたが、その直後に肺への転移と肝臓がんの再発がみつかりました。1回目の手術の際は、病気の深刻さを理解できず手術直前も明るくふるまっていた山下さんでしたが、さすがに再発と2回目の手術には相当なショックを受けたそうです。
最初のがん発覚から4年後の2016年。当初は余命半年と言われていたことを考えると奇跡のようです。しかし、奇跡を信じ続け前向きに生きてきた山下さんの心を打ちのめす出来事が。検査でがんの骨転移とリンパ節転移、心膜転移が見つかりました。
そして、2018年3月。山下さんは静かに永眠されました。
肝臓がんの原因とは
山下さんが発症した肝臓がんのはっきりした原因はわかりませんが、一般的に肝臓がんは肝炎ウィルスの感染が原因となって発症することが多くなっています。肝炎ウィルスに持続感染することによって炎症と再生が繰り返されていくうちに遺伝子が突然変異を起こし、がんが起こりやすくなります。
肝炎ウィルスは、ウィルスに感染している人の血液や体液を介して、また、出産の際母親から子供へ感染することがあります。肝炎ウィルスに感染すると急性肝炎となり、食欲不振、全身倦怠感、尿の色が赤くなるといった症状が出ることがありますが、何の自覚症状もなく治癒したり慢性肝炎に移行したりすることもあります。
肝臓は、「沈黙の臓器」と呼ばれるくらいですから、肝炎になっていても肝臓がんになっていても無症状ということはとても多いようです。ですから、肝臓がんの大きな原因となっている肝炎ウィルスへの感染の有無を知っておくのはとても大切なことです。以下の項目にあてはまる方は、ぜひ1度肝炎ウィルスの検査を受けることをおすすめします。
肝炎ウィルスの検査を受けるべき人
・肝機能検査でAST・ALTの異常を指摘されたが詳しい検査を受けていない人
・家族に肝炎ウィルスの保持者または肝がん患者がいる人
・母子感染の可能性がある人(1985年以前に生れた人)
・輸血や大きな手術を受けた人
・新たに性的な関係をもつ人ができた人
・タトゥーや医療機関外でピアスを開けたことがある人
まとめ
25歳というあまりにも早すぎる山下さんの死には若い世代を含め多くの人々がショックをうけました。しかし、がんや人生と正面から向き合い生きた姿に励まされた人も大勢いたはずです。がん検診やがん保険について自分事として考える人がもっと増えていくといいですね。