沖縄で計85人、愛知では計14人の人が麻疹に罹患しており、感染が拡大しています。連休などで人の移動が激しくなると、さらに流行が広がりそうで恐ろしいですね。麻疹の予防するのには予防接種
が最も大切とされていますが、麻疹はインフルエンザのように予防接種をしてもかかることがあるのでしょうか。
麻疹は予防接種をしてもかかるの?
予防接種が2回必要な理由
今回、麻疹が流行している沖縄の麻疹患者をみてみると、その多くが20代~40代の大人であることがわかります。そして、その方たちの予防接種歴を見てみると「不明」または「1回接種」となっています。麻疹は1回の予防接種では十分な免疫ができないため、2回予防接種を受けることが大切だといわれています。ですから、予防接種をしていない、あるいは1回接種の人が麻疹にかかりやすくなっているのです。
そもそも、麻疹の予防接種が定期接種2回になったのは平成3年以降生まれの人からです。現在の20代後半~40代前半くらいの人たちは多くが1回のみの接種になっているのはそのためです。実は私もその世代ど真ん中。母親に母子手帳を確認してもらったら、やはり1回しか接種していませんでした。
〇昭和52年以前生れ
定期接種は行われていないが、自然に麻疹に感染し免疫を獲得している人が多い。
〇昭和52年~平成2年以前生れ
定期接種になっていたが、1回のみの接種であるため免疫が低い。自身は罹患してもひどくならずに済むが、感染を拡大してしまう恐れがある。
〇平成3年以降生まれ
定期接種が2回の世代。
昔、麻疹は小さな子供がかかる病気でした。外遊びをすることが多かった時代、麻疹にかかっている小さな子供と接触する機会があることで、免疫が刺激を受け、麻疹に対する抵抗力を高めることができていました。また、日本は他の国よりも副反応に敏感だったこともあり、麻疹の予防接種が1回だけの時代があったそうです。
他の先進国で麻疹が流行している国はないのに、日本だけ麻疹がなくならないのにはこのような背景があったんですね。
予防接種1回世代の人はもちろん、平成3年以降生まれの人も、確実に2回接種しているか記録を確認することが大切ですね。
予防接種を2回接種すれば絶対にかからないの?
インフルエンザの予防接種を打ったのにインフルエンザにかかってしまったという話を聞いたことはありませんか?インフルエンザの予防接種はかかっても軽症ですむというだけで、必ずかからないわけではありません。
麻疹の予防接種はどうなのでしょうか。
1回のみの接種だと、免疫が十分につかず罹患してしまう可能性があるということは麻疹が流行する度に言われていますね。では、2回接種していれば絶対安心?
答えはNOです。
実際に麻疹患者の予防接種歴を見てみると、2回接種している人も何名かいます。
調べてみたところ、定期接種で子供のころに受けている、麻疹・風疹・日本脳炎・百日咳は大人になるにつれて免疫が弱くなってくるようです。免疫の持続力や予防のために必要な免疫力には個人差があるため、たとえ麻疹の予防接種を2回受けている人であっても必ずしも麻疹にかからないというわけではないのです。
私は麻疹の予防接種を1回しか受けていないので、もう1回受けに行こうかと思っていますが、こうなってくると他の病気の免疫力も弱くなってきていないか気になるところではあります・・・。
麻疹の予防接種 大人の値段は?
麻疹の予防接種を任意で受けるにあたって、値段はやはり気になりますね。任意の予防接種の値段は、医療機関によって異なるため、はっきりいくらとは言えませんが、MR(麻疹・風疹混合ワクチン)は少なくとも6000円以上はするようです。麻疹のみのワクチンだともう少し安くなりますが、麻疹と風疹の混合ワクチンを打つのが一般的です。
風疹は、妊婦さんが罹患すると胎児に影響があるため、妊娠を希望している女性やその家族は特に気を付けなければなりません。値段は高くなりますが、混合ワクチンを打っておいて損はないでしょう。
また、風疹は自治体で予防接種の助成金を支給してくれることも多いです。風疹の抗体検査を行い、抗体が少なければ助成金が支給されます。(男性は対象にならないこともあるので注意)このときに、MR(麻疹・風疹混合ワクチン)を打てば両方の病気を予防することができます。助成金をもらう場合は、まず抗体検査を受けるしかないので少し手間にはなりますが、時間のある方は節約にもなりますしおすすめですよ。
また、こちらは100%実費になってしまいますが、麻疹の患者と接触してしまった場合、72時間以内に予防接種を受けると病気の発症を抑えられる可能性があるそうです。ただし、100%ではないためやはり事前に予防接種を打っておくことが大切ですね。そして、麻疹患者と接触後医療機関を受診する際には、そのむねを事前に電話で医療機関に知らせておくことも大切です。
まとめ
平成20年から「麻疹排除計画」として、5年間にわたり定期接種1回だった高校生までの子供達に、補足的接種の措置をとりましたが、未だに麻疹はなくなっていません。現在、医療機関ではワクチンが足りず、予防接種を受けたくてもできない場合もあるようですが、ひとりひとりが予防して広げないよう気を付けることが大切ですね。