ウコンに含まれる「クルクミン」が二日酔いなどに効くとして、宴席の前に摂取する姿が良く見られます。
本場インドではターメリックという香辛料として様々な薬効があると信じられています。
(ガンの予防になるとまでいわれています)
しかし市販されているドリンクタイプには効果がない上,医学的にはなんの根拠もないとされています。
簡潔にいうと
「クルクミンは人体にとても吸収されにくく,わずか数グラム摂取した程度では何の影響も及ぼさない」
ということです。
とある研究によると,
クルクミンを2グラム摂取した人が検査をおこなったところ,血中にクルクミンが検出されることは無かったそうです。つまり体内に吸収されていないということになります。
ちなみに市販されているドリンクタイプのクルクミン含有量はおよそ0.3グラムが一般的とされています。
少なくとも70本程度ドリンクタイプで摂取しても体内に蓄積されることはないということになりますね。
思い込みの効果か?
しかしながら中には
「飲み会の前には毎回摂取しているけど,自分には効いていますよ」
という人もいるかもしれません。
実際にその方には効いている可能性も否定できません。
ただ,医学的な根拠はないので果たしてその微量なクルクミンが効果を発揮したのかは疑わしいということです。
人間には「ブラシーボ効果」といって,効用があると思い込み摂取することによって実際に人体にも影響を及ぼす作用があります。
私が怖いと思うのは
ウコンが効いている
↓
お酒を大量に飲んでも大丈夫
↓
ウコンが足りない気がするからもっと摂取しよう
↓
内臓に負担が掛かり健康を害する
となってしまう事です。
どんなに良い成分だとしても多量に摂取するのはやはり望ましくないように思います。
テレビを使った宣伝の効果
ブラシーボ効果についてはさきほどの通りですが,その要因としてテレビによる宣伝の効果もあるように思います。
ドリンクタイプについては1本飲んだ程度では有用となる医学的な根拠はないとされているのにもかかわらず,さも「バッチリ効きます!」といったような表現が使われていますね。
企業側もその商品をバンバン売り上げたいわけですから広告宣伝に力を入れる気持ちはわかるのですが,その結果間違った知識を植え付けてしまうのではないかと言う危険性を感じてしまいます。
その一方で
「ウコンは買ってはいけない」という意見もチラホラ出ており,書籍等でもそういった内容のものが売られているのを目にします。
大事なのは自分の目と耳を頼りにして,正確な知識を身に付けるということだと思います。
ただしウコンにも可能性はある
ここまでかなり否定的に書いてきてしまいましたが,あくまでクルクミンは効果が見えにくいということです。
先ほどの研究結果で2グラムでは血中にクルクミンは検出されることはありませんでしたが,4グラム摂取された方はわずかに検出されたそうです。
では,例えば4グラムという多量摂取をして二日酔いを防止できたとしても,その他の部分で人体に及ぼしている影響の方が怖くないでしょうか?ということです。
近年の論文でざっくりいうと
「効果はあるともないとも断定できないが,視点を変えて新たな可能性を探っていきましょう」
といった内容で発表がありました。
つまり可能性はゼロではなく,まだまだ研究の余地があるということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これまでウコンを摂取してきた方にとっては多少ショックが大きいものになってしまいましたでしょうか。
ただ効果は個人差があると思いますし,ご自身が効いていると思えばそれはそれで良いかと思います。
※ちなみに私が通っていたお店の店員さんもクルクミンの錠剤を多量に摂取していて
「おかげさまで朝もスッキリ起きれて毎日疲れもなく働けていますよー」
といっておりました。
この世の中にはそういった医科学的な根拠が明確にされていない健康商品がたくさんありますので,情報に流されることのないように注意したいですね。